012. 曽野正之さん(建築家)

この番組は、TCK(帰国生)の就職や仕事を選ぶ際のヒント集としてお届けします。元TCK経営者・社会人10年以上の先輩に、日本における「仕事」の選び方や多文化経験の活かし方をお聴きしています。

【本日のゲスト】
 建築家  /  曽野 正之さん【オンライン情報】
◇クラウズ・アオ(CLOUDS Architecture Office)
https://cloudsao.com


【元TCK(Third Culture Kids):曽野 正之さんのお話】

日米双方のプロジェクトに携わることで、今でも少しずつ居場所を創れるのは嬉しい!”

正之さんは、日本・兵庫県生まれ。小学2年生で米・NJ州に引越されます。小学2年から中学1年までの約5年間をアメリカで異文化体験をされた元TCKです。初めてマンハッタンを訪れた際には、強烈なカルチャーショックを受けると同時に、大きな解放感も得たと仰せです。アメリカの生活は個人を重視したフォーマットであり、自分にとっては適していたと感じる一方、中学1年で日本に帰国すると、逆に文化の違いを目の当たりにして、再度カルチャーショックを受けた少年時代だったと振り返られています。

正之さんの社会人としてのキャリアは、アメリカでの建築事務所よりスタートします。たえず、いつかアメリカに帰りたい!という想いが根底に存在していました。建築家という職業に興味を抱かれた原点は、ご自宅の増築の際に目にした「大工さん」だったと言います。屋根を身軽に駆け巡る大工さんがとてもカッコよかった!と憧れたそうです。建築家のキャリアをアメリカで開始されたことは、「個人主義的なアメリカ風土が自分に適していた」という適性や、「面白そうなことが出来る」という期待値が大きく影響したからです。建築家の職業のTCKにおける優位点も語っていただきました。

“TCKとして、これから成し遂げたいことは何ですか?”というTCKであれば頭をかすめる根源的な問いも質問させていただきました。

「TCKのアイデンディディーの問題として解決したい想いがあると同時に、日米を双方を理解している稀有なポジションとして両国に貢献できる仕事をしていきたい。そうすることで個人的なジレンマから自由になれると思う。」

と壮大な夢、且つ深い想いも語っていただきました。

若いTCKへのメッセージとして、
TCKとして、一度は日本を出た人間として、海外で面白いことをやっている存在として日本の皆さんにお返ししたい!
のお言葉もいただきました。若いTCKの皆さんに、社会人として生きる上での励ましもいただいています。是非お楽しみください!

【配信者】
育ちネット多文化CROSS
代表・臨床心理士 初田美紀子
https://crossactnet.com